武州一の「織」

武州一のもう一つのこだわりは、「織」。
「染め職人」が仕上げた得心の糸を「織り職人」が受け継ぎ、伝統の技で織っていきます。

どこか懐かしい音が鳴り響く機織り場には、ヴィンテージのシャトル織機(しょっき)が整然と並びます。

今では新たに製造されることのない、希少なこの織機は、何度も藍で染めた頑固な糸を生地にできる相棒です。
実は、最新の高速織機では私たちの藍染め糸を安定して織り上げることが難しく、あえて旧式の機械を用いています。
ゆっくりと時間をかけて、空気を取り込みながら織ることで、糸の風合いを残したまま、強く、コシがあり、そして肌触りのよい生地が生まれます。

現場の職人たちは、織機の音や動き、わずかなタイミングを感じ取り、時には我が子のように接しながら機織りと向き合い、多種多様な素材を生み出していきます。

一本一本の糸が紡がれ、織られて、初めて藍は人肌に触れる布になります。
着やすさ、着姿の美しさだけでなく、俊敏な動きにもはだけない、邪魔しない…。
剣道を知り尽くした「織」の技が、糸の力を何倍にも引き出しているのです。